IFRSの任意適用を検討する上場企業・大手企業が増えていますが、初度適用(IFRS第1号)には日本基準にはない特有の論点が多く、思いつきで進めると移行期限の直前になって対応漏れが発覚しがちです。差異把握から本適用までを見通したロードマップづくりが成功の前提になります。
IFRS移行プロジェクトでつまずきやすいポイント
IFRS移行の現場では、以下のようなつまずきがよく見られます。
- 日本基準との会計処理・開示の差異を網羅的に洗い出せていない
- 移行日(Date of Transition)時点の会計方針の決定を後回しにする
- IFRS第1号が定める免除規定・例外規定の適用可否検討が不十分
- 調整表など開示資料の準備に直前まで着手しない
初度適用を円滑に進めるための視点
- 影響度調査(ギャップ分析)を早期に実施し、経営層と論点・工数を共有する
- 会計方針の選択は監査法人と早い段階からすり合わせ、後戻りを防ぐ
- 移行仕訳・調整表の作成を、既存の決算期間と並行して検証する
- IFRS対応を単なる基準対応で終わらせず、会計システムの見直しの機会と捉える
まとめ
IFRS初度適用は、影響度調査から本適用までの各工程を前倒しで計画できるかどうかが成否を分けます。日本基準との差異を早期に可視化し、監査法人・経営層と論点を共有しながら進めることで、開示直前の混乱を避けることができます。